馬返しの意味 登山用語

馬返し

馬返しとは、登山道で、徒歩でなければ先に進めない地点のことをいう。馬が運送の手段だった時代、道が急に険しくなる場所まで馬で行き、そこで馬を返して、徒歩で歩き始めたことからきている。駒返しともいう。馬返し地点が登山口にあたる。

現在でも地名として各地に残っており、富士山の吉田口の馬返しや日光のいろは坂の馬返しが有名である。富士山は登山口が3カ所あるが、富士スバルラインの開通により5合目まで車で直接乗り付けられるようになるまでは、浅間神社がある吉田口がメインであった。吉田口に金鳥居(かなどりい)、北口本宮浅間神社があり、その後に馬返しがある。北口本宮浅間神社の地点で標高860m、馬返しの地点で標高1450mであり、現在は馬返しの地点に車の駐車スペースがある。日光では馬返しはいろは坂の入り口地点にある。

現在はいろは坂は舗装されており、車で15分ほどで突破できるが、舗装されていなかった昔は馬では突破できない険しい場所であり、車で突破できる今でもいろは〜で数えられるほど傾斜に加え急カーブの連続する場所であり、難所であることには変わりない。