雨裂の意味 登山用語

雨裂(うれつ)

雨裂とは、地表を流れる水によって地面が削られて溝のようになった地形のことをいう。雨水または雪融け水が地表を流れるうちにちょっとした凹んでいるところに入り込み、無数の筋を形成する。この無数の筋を細溝(リル、英語rill)ともいう。やがて雨が降る度や雪融け水が流れるたびに、この細溝に集中するようになり、さらに深く浸食されていき、場合によっては両壁が急なV字型の小谷を形成する。

この地形をガリー(英語gully)とも呼ばれる。雨裂は常に水が流れているとは限らず、地盤が堆積物が軟らかい場所、火山採屑物などの場所によく見られる。大雨による土砂崩れによって斜面が崩壊した後に雨裂が形成されることもある。

なお、この雨裂の跡によって水脈の形成過程を知ることもでき、水が流れていなくてもかつては水が流れていた、と判断できるのである。たとえば、火星に水が存在することが最近分かってきたが、雨裂が発見されている。この地形から、科学者たちは火星の地下の構造や地形の研究の手がかりにしていると言われている。