越年雪の意味 登山用語

越年雪(えつねんせつ)

越年雪とは、気温が高くなる夏になっても溶け切らずに残っている雪のことをいう。ある程度の標高がある高山では1年中気温が低く、特に谷はその形状上、周りの傾斜地から雪が流れ落ちてきて集まりやすいこともあり、雪が残ることが多い。こうして集まった雪は雪渓を形成することもある。こういう雪渓を越年雪渓ともいう。2500m以上の高山ではほとんどで山岳で越年雪を見ることができる。

大雪山(北海道)、白神山地(青森、秋田)、鳥海山(秋田、山形)、月山(山形)、飯豊山地(福島、新潟、山形)、谷川岳(新潟、群馬)、白馬岳(長野、富山)、富士山(山梨、静岡)、立山連峰(富山、岐阜)、白山(石川、岐阜)、穂高岳(長野、岐阜)、乗鞍岳(長野、岐阜)、槍ヶ岳(長野、岐阜)、大山(鳥取県)の山々が代表的であり、一部山岳では雪渓の上で夏スキーも楽しむことができる。

なお、以前は夏になっても溶けない雪のことは万年雪と呼ばれていたが、万年という表現が適切ではないとして、越年雪と呼ぶようになってきている。