烏帽子の意味 登山用語

烏帽子(えぼし)

烏帽子とは、江戸時代までの武家社会では、男子は元服すると烏帽子をかぶった。武家・公家ともに官位によって烏帽子の形は異なっていた。その烏帽子の形に似ていることから、烏帽子岳、烏帽子岩などと呼ばれている岳や大岩がある。

烏帽子岳、烏帽子山と名のつく山岳は北から南まで、約85ヶ所あると言われている。中でも北アルプス中央に位置している烏帽子岳は標高2628mの山岳で、後立山連峰の最高峰であり、裏銀座縦走コースの拠点でもあり、三ツ岳、野口五郎岳をとおり、槍ヶ岳へ至ることができる。烏帽子岳の稜線上には明るい色の花崗岩質と砂礫で形成された岩塔がそびえ立っており、その形から烏帽子岳と呼ばれている。

烏帽子岳の南側は烏帽子小屋があり、船窪池、船窪小屋もある。烏帽子岳へ向かうコースは幾通りもあるが、高瀬ダムからブナ立尾根を経て烏帽子岳へ至る場合には、ブナ立尾根は北アルプス三大急登のひとつに数えられており、体力を要するコースでもある。