オーバーユースの意味 登山用語

オーバーユース

オーバーユース(英語:overuse)とは、特定の山に登山者や観光客が集中することで、自然に対してさまざまな悪影響が出ている状態をいう。また、上高地、立山、富士山などでは年間100万人もの観光客が集中するほどに観光地化しており、道路や施設の整備・開発、大型観光バスや自動車から出る排出ガスが自然に与える影響に加え、登山道や木道の脇などを歩くという踏み付けで植生が破壊されたり、土壌が浸食されて裸地化したり、トイレ問題(し尿処理)、ゴミ投棄などの問題がある。

オーバーユース問題は、これらの名所だけではなく、日本各地の国立公園などの山岳地域で起こっている。富士山が世界自然遺産ではなく、世界文化遺産に登録されたのは、ゴミ問題やし尿処理問題などの点が指摘されたことによる。最近ではほとんどの山小屋や山岳に設置されるトイレは、バイオトイレなど処理できるものが設置されてきているが、以前は垂れ流しであったという。結果、周辺の土壌が富栄養化し、水流も汚染され、大腸菌が検出されるという事態に陥っている。

これらの問題を解決するために入山規制を行っている山岳地もある。山岳地域に行く人は都会と同じものを自然に求めるのではなく、秩序ある行動が求められている。