アイスフォールの意味 登山用語

アイスフォール

アイスフォール(英語:icefall)とは、氷河の中で傾斜が最も急な場所のことをさす。アイスフォール地帯では、傾斜が急なことから氷河の移動(下降)が早く、年間数キロメートルは動いているとされる(他の場所では数百メートルとも。)そのため、クレバスやセラック(氷柱)が発達しやすく、無数のクレバスやセラックを形成しているところが多い。

懸垂氷河では、さらに傾斜が急なことから、その氷河全体がアイスフォールの形状をなしていることが多い。セラック部分は突然倒れて崩壊する場合があり、その付近を歩くことは危険が伴う。アイスフォール下流では、氷河の底(地面)は平らになり広くなるので、クレバスは消えて(穴を閉じて)表面はなめらかになる。

なお、日本ではアイスフォールのことをしばしば「氷瀑」「氷滝」(滝が水が流れているまま凍った様子)と言われることが多いが、本来の意味とはかなり異なるので、滝のことを表わす場合は、氷瀑などと表現することで、使い分けるのが望ましい。