カールの意味 登山用語

カール

カール(ドイツ語:Kar)とは、日本語では「圏谷(けんこく)」といい、氷河によって形成された地形の1つであり、お椀のような形の谷のことをさす。

氷河期に成長した氷河が山肌を削り、半円形のような谷を形成し、氷河の後退に伴ってはじめて姿を表わしたのである。カールの特徴は、谷を囲む山側が急峻な山肌(カール壁)であり、その全面に比較的平坦なカール底が見られる。カール底には氷河によって削り取られた土砂や岩が堆積しており、モレーンと呼ばれる。日本のカールは最終氷期に発達した氷河によるものと見られており、日本で代表的なカールを挙げていく。

穂高岳の涸沢(ふらさわ)カール、槍ヶ岳の槍沢カール、立山の山崎カール、白馬岳の白馬大雪渓、宝剣岳の千畳敷カールなどが有名である。日本で最初に発見された氷河によるカールが山崎カールであり、保護のため立ち入り禁止になっている。穂高岳の涸沢カールは夏でも残雪があるので、夏スキーが楽しめる。