回峰行の意味 登山用語

回峰行(かいほうぎょう)

回峰行とは、天台宗の修験道の修行であり、九世紀に相応和尚(相應和尚)が始めたとされている。比叡山天台宗赤山禅院では「千日回峰行」という最も厳しい修行がある。修行を行う僧侶を行者といい、蓮華をかたどった桧笠をかぶり、白装束を着て、八葉蓮華の草鞋を履き、腰には死出紐と降魔の剣を持つ。この修行を途中で挫折する場合には、腹を切るか、首つりで自ら命を絶たねばならないという厳しい掟がある。

千日回峰行は7年間かけて行われ、1〜3年目は、1日約30kmの行程を年100日間、定められた約260ヵ所すべてで礼拝して、巡り歩く。4〜5年目は、同じ内容で年200日間。合計700日間を達成すると、堂入りという修行を行う。9日間、比叡山無動寺谷の明王堂に籠もり、断食・断水・不眠・不臥で不動真言を10万回唱えると、阿舎利(阿闍梨)の称号を与えられる。6年目は、今まで行ってきた修行内容に加え、比叡山と赤山禅院を往復するもので赤山苦行とも呼ばれる。1日約60kmになり、100日間行う。最終年の7年目は、前半の100日間は、比叡山から赤山禅院から京都市内を巡礼し、約84kmである。後半100日間は1年目と同じ内容で比叡山の中をめぐり、1000日の満行を迎える。特に堂入りの修行は現代医学でも3日で死ぬと言われているほどハードであるため、行者は堂入り前に生き葬式の儀式を行う。