アイゼンの意味 登山用語

アイゼン

アイゼン(ドイツ語:Steigeisen)とは、固くなった雪の上や氷の上を登り降りする際に滑るのを防ぐために、登山靴の底に装着する金属製の爪(※1)のことである。アイスクライミング用と縦走用とがある。

4本爪、6本爪、8本爪、10本爪または12本爪、14本爪のものがあり、山の状態によって適切なアイゼンを選ぶ。4本爪は軽アイゼンと呼ばれ、夏の雪渓・冬の低山に向いている。6本爪も軽アイゼンと呼ばれ、夏の雪渓・冬の低山・春の残雪期の山に向いている。8本爪も6本爪と同じく夏の雪渓・冬の低山・春の残雪期の山に向いているが、爪が2本多くなるぶん6本爪より安定性が増す。10本爪または12本爪は、つま先部分の爪2本が前部分に出ていて、斜面でもグリップ力(※2)が保てるようになっているので、本格的な冬山や岩場や稜線などに向いている。14本爪はアイスクライミング用であり、爪の形も他のアイゼンと異なる。アイゼンの選び方は、登山靴にしっかりと固定できて前後左右の方向に力をかけても滑らないものが良い。また、アイゼンにはスノープレート(※3)が欠かせない。材質はゴムまたはプラスチックでできていて、ゴムのほうが傷が付きにくく雪も団子になって固まりにくい。

なお、4本爪、6本爪の軽アイゼンは土踏まず部分に装着するのでバランスを取るのが難しく、初心者は10本または12本爪のアイゼンがおすすめというのが山岳ガイドたちの共通の見解である。

※1 爪…スパイクの事である。
※2 グリップ力…ここでは滑らない事を意味する。
※3 スノープレート…アイゼンに雪が付くのを防ぐ板状のものである。