鎌尾根の意味 登山用語

鎌尾根(かまおね)

鎌尾根とは、稜線が鎌の刃のように横幅が狭くて、かつ鎌の刃のように反りがあることから、鎌尾根と呼ばれている。日本で代表的な鎌尾根は槍ヶ岳の四方にある鎌尾根である。

槍ヶ岳は東鎌尾根、西鎌尾根、北鎌尾根があり、南側は槍沢、飛騨沢と開けた地形になっている。東鎌尾根は表銀座縦走ルート、西鎌尾根は東銀座縦走ルート、北鎌尾根はバリエーションルートであり、東・西鎌尾根は一般縦走ルートのため登山道が整備されているが、北鎌尾根はバリエーションルートのため登山道は整備されておらず、ルートファンディングしながら登るベテラン向きのコースになる。

なお、槍ヶ岳自体は、1828年に播隆上人が開山したと言われているが、北鎌尾根は、1920年に信濃山岳会に所属していた土橋荘三が案内人の小林喜作(猟師のち山岳ガイドになる)とともに初登攀している。1936年には単独行として知られる加藤文太郎が、冬季槍ヶ岳登攀で北鎌尾根で吹雪に巻き込まれ命を落としている。現在でも難ルートであることには変わりない。