カモシカ山行の意味 登山用語

カモシカ山行(カモシカさんこう)

カモシカ山行とは、夜間も眠らずに夜通し歩くこと。行動食、非常食、水、ヘッドライト、ビバーク装備などの必要最低限の装備で、ルートが分かりやすい低山で行う。

カモシカ山行の由来は、中村謙氏が表わした著書『山と高原の旅』(1958)で述べているが、夜間登山は昔から富士山登山で行われており、これを一般の山でも始めたのが、中村氏である。中村氏は加茂鹿之助(かもしかのすけ)というペンネームで戦前〜戦後と『山と渓谷』誌に記事を寄せており、そのペンネームから命名したという。

正式名称は「加茂鹿之助式夜行日帰り山行」といい、これを省略して「かもしか山行」と呼ぶようになった。早く歩くスタイルではなく、時間もお金もないから数日かけて歩くところを、夜間も含めて1日で歩くスタイルを提唱したと、中村氏は言っている。現在は、万が一遭難した場合、夜間に行動せざるを得ない状況に備えて、一度夜間を歩くことを経験するという意味での訓練で行われることもある。