岩塊斜面の意味 登山用語

岩塊斜面(がんかいしゃめん)

岩塊斜面とは、大きな岩が積み重なっている斜面のこと。岩に浸透した水が凍ると岩が破壊され、破壊された岩が斜面の下に移動して形成される。岩塊が舌のような形で堆積しているものを岩塊流と呼ぶ。岩塊斜面は、森林限界から上の山頂や山腹斜面で見られる。

たとえば、南アルプスの場合は、地殻変動による山体隆起現象が、岩が地表に露出しやすくなり、結果として岩塊が生産されやすい環境になり、砂岩層の上に堆積する傾向にあり、稜線上(尾根)に岩塊斜面が形成され、仙丈ヶ岳山頂付近や赤石岳山頂〜南西斜面に岩塊斜面が見られる。一般的に岩塊斜面上の岩塊が斜面下に移動しているときは、土壌も一緒に流される傾向にあり、植生が発達できない。

一方で、移動停止した岩塊斜面上では、土壌が涵養され、植生が発達しておりハイマツ林や高山植物など、その土壌の質に適している植物が植生している。また森林限界以下でも岩塊斜面があり高山植物が見られる場合があるが、これは過酷な環境に耐えうるものが残って植生しているのではないかと言われている。