かんじきの意味 登山用語

かんじき

かんじきとは、雪の上を歩く道具であり、世界有数の豪雪地帯のある日本では、雪国の生活には欠かせない物であった。かんじきの歴史は古く、縄文時代の遺跡からかんじきの一部が出土されている。

かんじきは木で枠を作り、足を載せるために縄を張ったシンプルなものである。かんじきに使用される木の種類はしなやかで耐久性のあるものが選ばれ、地域によって異なっている。本州ではマンサク、マユミ、グミ、クロモジ、オオバクロモジ、リョウブ、ヤマボウシ、クマヤナギ、アブラチャン、オオカメノキ、エゴノキ、タケが使われ、北海道ではヤマグワ、イタヤカエデ、コクワ(サルナシ)、イチイ、ヤチダモなどが使用されてきた。かんじきには単輪式(たんりんしき)と双輪式(そうりんしき)の二種類があり、単輪式は雪輪、双輪式はかんじきと呼び分けられてきたという。

現在ではかんじきは日常生活で使われることは少なくなり、かわりにアウトドアでかんじきツアーなどで使われている。かんじきは足全体を固定するため、平地では歩きにくさがあるが、山岳地域では力を発揮するという。西洋から入ってきたスノーシューは山岳より平地を歩くように出来ており、かかとのみを固定するので、平地での歩行は強いが、山岳地域では足の安定が悪いという。スノーシューを西洋かんじきと呼ぶこともあるが、構造・機能が根本的に異なるのでその言葉が当てはまらない。