灌木の意味 登山用語

灌木(かんぼく)

灌木とは、現在では「低木(英語Shrub)」と言われ、成長したときの樹高が3m以下のものをいう。これらの木は木の幹がまっすく伸びて上方で枝を伸ばすタイプの高木(喬木)とは異なり、地表面近く(地下浅い場所)から根を横に広く張り、木の根元からいくつも枝分かれする枝と幹の区別がない、木本性の植物が多い。

森林限界以下で潅木が繁茂している場所を「藪(やぶ、英語Bush)という。森林限界以上の高山帯ではハイマツなどが植生している。ハイマツは、氷河期に北方から南下してきて、温暖化とともに高山帯に残ったものであり、寒さに強い植物である。森林限界以上の標高では、高木は強風・直射などの過酷な環境に耐えられなくなり、代わってその地に適したハイマツが植生している。

ハイマツも亜高山帯林では2mほどの背丈になるが、稜線などになると地面を這うような低い背丈になるのである。亜高山帯林ではダケカンバの高木の中に低木のハイマツが共存している場所もある。