樹雨の意味 登山用語

樹雨(きさめ)

樹雨とは、霧が樹木林を通過する時に、霧の粒子が木々の枝や葉に付着して水滴となり、その水滴が雨のように落ちる様子からきている。霧は雲の一種で、簡単にいうと、地面に接しているものが霧、地面に接していないものが雲とされる。

山は標高が高く、霧も発生しやすくなる。登山中、樹木林に入る前は濡れていなかったのに、樹木林に入ると濡れている、という現象は樹雨によるものであると考えられる。その樹木林は林床が濡れてすべりやすくなっている。またぬかるんでいることもあるため、傾斜のある場所では、足を取られないよう注意する。

また、体が濡れると、冷えて体力の低下につながるので、なるべく濡れないようにレインウェアを着るなどして対策したい。なお、地形によっては霧がたちこめやすく、樹木林の中だけ、平均降雨量の2倍もの水滴による降雨量があるところもある。南アフリカのテーブルマウンテンという山は山頂が名前のごとくほぼ平らであり、霧がたちこめやすい地形になっているため、そこだけ水滴による降雨量が多いというデータが出ている。