キャラバンの意味 登山用語

キャラバン

キャラバン(CARAVAN CO,LTD)とは、1954年、登山家であった佐藤久一朗によって設立された、軽登山靴であるキャラバンシューズを開発した会社である。

佐藤は慶應大学時代から山岳部で活躍し、1950年には日本山岳会のマナスル遠征隊の委員長に就任していた。佐藤は、登山靴、アック、家具、背広(スーツ)、印鑑など全部自分で作ってしまうほど、手先が器用であった。この腕を見込まれて、ヒマラヤ委員会では装備担当を任されていた。当時、日本には軽登山靴としてのアプローチシューズがなく、遠征隊隊長の槇有恒から製造を依頼された。これが、後に設立するキャラバン社の原点である。

ヒマラヤからベースキャンプまで履くためのアプローチシューズとして開発されたのが、キャラバンである。(ベースキャンプから頂上までは今まで通り重登山靴でありこれも国産メーカーによる。)

現在、キャラバンでは、アプローチシューズ以外にもバリエーションを増やし、靴メーカーではなく、アウトドアメーカーとして、自社が生産するシューズに加え、アウトドアメーカーの製品を輸入・販売している。なお、佐藤は、靴の開発に長年没頭したが、後に山に戻り、69歳の時、小西政継らとともに、スイスのアイガー登頂に成功している。