キャラバンシューズの意味 登山用語

キャラバンシューズ

キャラバンシューズとは、佐藤久一朗と藤倉ゴム工業によって開発された、マナスル遠征隊の隊員のためのアプローチシューズである。

マナスル遠征隊が派遣される当時(1952年、1953年、1956年の3回目で初登頂)、日本には重登山靴はあったが、ヒマラヤからベースキャンプまで履いていくアプローチシューズが無かった。そこでヒマラヤ委員会の委員長でもある佐藤がモノ作りが得意ということで、開発という白羽の矢がたったのである。

当時、藤倉ゴム工業は革製登山靴のゴム底や、ゴムの履き物を生産していたので、佐藤が協力を要請し、試行錯誤しながら開発に取り組んだ。こうして出来上がったアプローチシューズは、マナスル遠征隊に好評であり、キャラバンと愛称を付けて呼ばれていた。遠征隊員たちの要望により、一般登山家にもキャラバンシューズを提供することになった。

こうして「キャラバンシューズ」と名付けられて市販化されたのである。マナスル遠征隊の登頂成功から第一次登山ブームが到来し、キャラバンシューズの販売に火がつく。2003年にキャラバンシューズは生産を終了し、グランドキングシリーズがキャラバンシューズのコンセプトを受け継いでいる。生産終了後もキャラバンシューズの愛用者は多い。