峡谷の意味 登山用語

峡谷(きょうこく)

峡谷とは、谷の両側が急崖(谷壁という)であり、左右の崖の幅も狭く、深い谷である。谷の断面図はV字のような形をしている。谷壁はときとして垂直状の絶壁でもあり、川底は平たんなところが少ない。峡谷には水流が流れていることが多く、地形上、水流が激しいことから、さらに両壁を削り、流出した岩などで川底が削られて、さらに深くえぐれていくというサイクルがある。あるいは、近く変動により土地が隆起し、あとから水流が流れ始め、次第に岩盤を削り、峡谷を形成していく場合もある。こういった峡谷は人工的に土を盛り上げることで水を堰き止めやすい地形であることから、ダムが建設されることも多かった。

近年、話題になったのは吾妻渓谷の八ツ場ダムであろう。半世紀も前の時代遅れの構想がまかり通ったのである。峡谷といえば、黒部峡谷(黒部川)が有名であるが、こちらでも黒部ダムがある。なお、世界最大の峡谷はアメリカのグランドキャニオンであると言われていたが、2013年、グリーンランドで氷床の下に全長740kmの巨大な峡谷があることが分かった。グランドキャニオンは全長446kmであるから約2倍近くの大きさである。