極相林の意味 登山用語

極相林(きょくそうりん)

極相林とは、その場所・気候条件に合うように植生が遷移を繰り返し、最終段階に至ったもので、極相群衆の形態を表わすもので、森林であることを強調する場合に極相林という。

この森林は樹木の生長に必要な降水量がある地域に生育するので、日本では降水量が多いので極相は森林になる。また、日本の場合、国土が南北に長いので、南と北でそれぞれ極相林の樹木の種類が異なる。暖温帯域は常緑広葉樹林または照葉樹林(タブ・カシ類、シイ類)、温帯域は落葉広葉樹林(ブナ類)、冷温帯域は針広混交林と針葉樹林(エゾマツ、トドマツなど)が極相とされる。
ただ、日本は人間の手が入っている森林も多いので、本当に極相と呼べるか疑わしいという。植生の遷移の過程は、こけ→一年生草→多年生草→低木→高木、というように変化していくが、その土地の気候条件にあったものが残っていくので、必ずしも最終極相が高木になるとは限らない。例えば乾燥帯で低温の気候条件であれば、草原が極相の場合もある。