拠水林の意味 登山用語

拠水林(きょすいりん)

拠水林とは、草原や湿原を流れる川の両岸にある林のこと。樹木は栄養を必要とするが、川によって運ばれる土壌と栄養分が、草原や湿原の地域でも樹木が生育することができるのである。

尾瀬ヶ原の拠水林が有名である。尾瀬ヶ原の拠水林は周囲を山に囲まれていることから、川の上流から土砂と栄養分が運ばれてきて堆積し、高木の生育を支えている。そこに生育している植生は、高木はダケカンバ、サワグルミ、オノエヤナギなどは生育している。草木としてはギョウジャニンニク、オニシモツケ、ハンゴウソウなどの、湿原にはない草木が生育している。

尾瀬ヶ原の湿原は拠水林によって分割されており、川と川に挟まれたそれぞれの湿原に名称がつけられており、湿原に設置されている木道を歩いて行くと、拠水林があらわれ、そこには橋が掛かっていてやまめなどの天然の川魚が生息しているのを見ることができる。魚が住むことができる環境は栄養がある証拠なのである。そして川を過ぎ、拠水林を過ぎると再び湿原に戻る、といった感じで景色が繰り返される。