くつかけの意味 登山用語

くつかけ

くつかけとは、漢字で「沓掛」とも書き、平坦な山道が終わり、尾根や峠への登り始めの地点のことをいう。旅人が、本格的な峠越えの前に、そこで休憩して草鞋を履き換えたことに由来する。

沓掛が地名として使われていたのが、現在の長野県軽井沢町中軽井沢である。現在の中軽井沢はかつて沓掛と呼ばれており、碓氷峠(うすいとうげ)の入り口でもあり、中山道の宿場でもあり、近隣の軽井沢宿、追分宿とともに浅間三宿のひとつであった。

碓氷峠は長野県と群馬県の間にあり、標高が約960mあり、分水嶺でもあり、峠を境に日本海側と太平洋側と気象条件が変わる場所でもあり、日本有数の難所であった。悪天候時は沓掛で足止めを余儀なくされたのである。かつては峠越えで命を落とす人も少なくはなかった。明治時代になり、軽井沢が避暑地として知られるようになり、時代の流れで沓掛は中軽井沢と地名を変えたのである。

なお、軽井沢にはアウトレットがあるので、高速道(信越自動車道)や一般道で碓氷峠付近を通過する人は多い。車では30分ほどで峠越えできるが、かなりの高度差があり、カーブも大きい場所である。