雲の峰の意味 登山用語

雲の峰

雲の峰とは、古くから使われてきた言葉で、俳句などで使われる、夏の季語である。奥の細道(松尾芭蕉)の中で『雲の峰 いくつ崩れて 月の山』と読まれた俳句が出てくる。「山のように高くそびえたつ入道雲が、いくつ沸き立っては消えていったことか。今、空には月がかかり、月山が美しい姿を見せている」といった意味である(月山とは山形県にある山)。

なお、日常的に呼ばれている入道雲とは積乱雲のことであり、夕立(雷雨)や雷をもたらす。その積乱雲の形状から入道雲、鉄床雲(かなとこぐも)などと呼ばれてきたのである。入道雲は山は海で見られることが多く、夏の暑い日に地上で温められた空気が上昇気流にのって上空に達し、ある線を境に上にもくもくと大きくなっていく。山で入道雲が発生した場合、すぐに雷雨になるので、雲が見えた時点で避難するようにする。特に夏山の登山では、午後になると雷が発生する確率が高くなるので、朝早くに登り始め、お昼すぎ、遅くても2時頃までには下山しているのが望ましい。