クラストの意味 登山用語

クラスト

クラスト(英語:crust)とは、雪質を表現する用語で、太陽光、風、雨といったそれぞれの気象状況によって積雪の表面が氷のように凍った状態をいい、表面だけ凍るので、内側は固まっておらず柔らかい。形成要因となる気象状況によって呼び方が変わる。

太陽光によって形成されたものをサンクラスト、風によって形成されたものをウインドクラスト、雨によって形成されたものをレインクラストという。人が上にのると壊れるものをブレイカブルクラストという。サンクラストは、新雪の表面が太陽光によって溶けた後に凍る状態である。春先に多い。ウインドクラストは強風が表面の雪を吹き飛ばして、表面を覆う雪がなくなると地面が凍る。レインクラストは積雪の表面に雨が降って雪を溶かし、それが凍ったもの。冬山はアイゼンを装用して登山するが、クラストの状態と範囲の大きさによっては、アイゼンも歯が立たないこともある。そういう場合は断念して引き返すなどの判断も必要である。

ちなみにサンクラストの場合は風や雨と違って部分的なので、周辺は柔らかい雪が残っており、回避ルートを選択することができる。