クリーンクライミングの意味 登山用語

クリーンクライミング

クリーンクライミング(clean climbing)とは、岩場を傷つけないクライミングのことで、主にチョック(ナッツ)のみで登るスタイルのこと。クリーンクライミングはアメリカのアウトドアメーカー「パタゴニア」の前身である会社、シュイナード・イクイップメント社によって提唱されたのが始まりである。1974年10月の事である。

ギアやピトンなどの登山用具を製造するメーカーであったが、自社が製造した登山用具が、自然の岩場などが絶えず打ちこまれるピトンなどによって傷ついているのを目にしたのがきっかけで、メーカー自ら、より自然な軽装備でのクライミングを提唱したのである。

アメリカでは1960年代にクライミングが全盛期を迎え、クライミング環境(自然のフィールド)の破壊とクライマーのモラル低下を引き起こした。彼らはテクニカルクライミング(優れたギアとテクニックを駆使すること)に走ったためである。岩壁ともいえ繰り返しボトルなどを打ち込まれ・抜かれているうちに岩壁の剥離やクラッチがこじ開けられるなど、悪質なクライマーによって自然破壊が行われていた。

この事情を憂慮したシュイナード・イクイップメント社は環境を破壊しない、道具を使わない、より自然なスタイルでのクライミングを打ち出したのである。その姿勢はパタゴニアにも引き継がれ、環境に重点を置いた経営・生産が行われている。なお、日本ではクリーンクライミングというと、クライミング現場などの清掃を意味することが多い。