グリベルの意味 登山用語

グリベル

グリベル(GRIVEL)とは、1800年代、イタリアのモンブラン山麓にあるクールマイユール(Courmayeur)に、鍛冶屋であったグリベル一家(Grivel family)が、小さい工房を設けたのが始まりである。

農機具の製造を行っており、クールマイユールでは名の知られた鍛冶屋になっていた。ちょうどモンブランに登山する登山家が増え、彼らの要望でつるはし(Pickaxe)を改良した登山用具を作っていた。彼らの要望やフィードバックを取り入れて誕生したのが、ピオレ(フランス語Piolet=ピッケル)である。

1909年、オスカー・エッケンスタイン(Oskar Eckenstein)のデザインをもとにクランポン(アイゼン)を製造したのである。やがて前爪2本のアイゼンを開発し、12本刃のアイゼンを開発したのである。これによって登山家たちは雪や氷の急斜面を登れるようになり、1938年にアイガー北壁が登られるようになった。

グリベルはその後もクランポンの改良・軽量化を続け、1950年代のエベレスト、K2、カンチェンジュンガを初登頂した遠征隊に使われたのである。現在でもクランポンやピッケルはグリベルとして知られている。現在はクランポンやピオレに加え、バックパックや、クライミング用品などを製造している。