クリンカーの意味 登山用語

クリンカー

クリンカー(ドイツ語:Klinker)とは、鉄製の鋲のことで、かつての登山靴の靴底に使われていた。鋲には三種類あり、それぞれ「クリンカー」「ムガー」「トリコニー」と呼ばれていた。

鋲の中で一番細長いものをクリンカーといい靴底のサイドに配置、丸くて表面が平らになっているものをムガーといい甲の裏部分や踵などの真ん中部分に配置、歯のような形をしているものをトリコニーといい土踏まず部分に配置したと言われている。登山家毎に鋲の配置のオリジナルパターンを持っていたとされる。

だが、鉄製の鋲は岩などで滑りやすく、命を落とした登山家も少なくは無かったのである。1937年にゴム製のソールであるビブラムソールがイタリアのビブラム社によって世に送り出されて以来、何より鋲靴で悩まされていた「滑る」ことがなくなったため、一気に登山靴の靴底はビブラムソールにとって変わった。なお、ビブラムソールのパターンは鉄鋲時代の各鉄鋲の配置パターンを模していると言われていた。