気嵐の意味 登山用語

気嵐(けあらし)

気嵐とは、北海道の留萌地方の方言で、気象用語では蒸気霧と言われる。この気嵐は、海上に発生し、まるで海が湯気を出しているかのように蒸気が海面から立ち上る様子なのである。

気嵐は放射冷却によって冷え込んだ日の早朝に、海水の温度が大気の温度より高く、かつ温度差が15度以上ある場合、海面から蒸発した水蒸気が大気に急激に冷却されることで発生する、蒸気霧の一種である。朝日が昇って日が高くなり、大気の温度が温まると、大気の温度と海水の温度が逆転するので、この自然現象は消えるという。

気嵐は、北海道の留萌、釧路、浦河、本州では富山などの、日本海側に面した地域で見ることができる。秋の終わりにこの気嵐が見られると、もうすぐ本格的な冬がやってくると言われている。冬に気嵐が見られると、その日はマイナス20度と厳寒の朝に見られる、という。いずれにしても、自然条件が揃わないと発生しないので、いつでも見られるとは限らないのである。