渓相の意味 登山用語

渓相(けいそう)

渓相とは、その河川の特徴や様相を表わすものであり、周囲の環境、岩の配置、木の立ち位置、水の深さ、水の流れなど、景色や形態を表わす。主に釣りをする人々に用いられ、「良い渓相」と言えば、魚が住みやすい渓流=魚が釣れる、という意味であり、「悪い渓流」と言えば、水の流れが激しいので魚が住みにくい=魚が釣れにくい、という意味で使われている。

渓相という言葉が適用される流域は、渓流上流域〜本流中流域である。河川の最上流域となるのが、源頭部は山に降った水が地面に沁み込み、地下水として流れている。山小屋などはこの水を利用している。源流部は地下水が湧水として出ている場所であり、山中で標高が高い位置にあるので、勾配がきつい。渓流は、源流域よりも標高が下がりあるていど勾配もなだらかになり、ある程度の水が集まっているので水量も多い。

本流中流域は人里を流れている川である。本流になると河川の幅も広がり、人間によって護岸工事がなされているので、渓相が悪くなっていることが多い。近年では、護岸工事をする場合でも自然に近い状態になるよう設定されるようになってきている。樹木等の水域が浅い部分を設けないと、深すぎて稚魚が生育できないのである。