ケミカルアンカーの意味 登山用語

ケミカルアンカー

ケミカルアンカーとは、クライミングの支点として岩壁に打ち込むボルトを接着剤で固定したものである。クライミング用の岩壁に行くと、ルート開拓されている岩は、開拓者によってボルトが打ち込まれているが、経年劣化してグラグラしているものもある。

現在のボルトはUIAA(国際山岳連盟)によって、強度基準が25kN以上であることとされている。この基準を満たすのが、「ケミカルアンカー」「グージョンボルト」などとされている。このケミカルアンカーの設置方法は、岩壁にドリルで穴を開けて、接着剤を流し入れてからボルトを入れて固定させるものである。接着剤が完全に乾くまでは1〜2日かかるので、その間は新規設置したボルトは使えない。岩質にもよるが、花崗岩や石灰岩などは柔らかい石のため、ボルトなどを過剰に打ち込むとクラックが入り、岩が崩壊するおそれもあり、またその代わりに岩の上にある木などを支点として使うと、木の根元などが痛む。

こういったクライマーによる人為的な自然破壊とクライマーの安全確保を考えた時、ケミカルアンカーが使われる。なお、ケミカルアンカーに使われる接着剤の成分が自然に与える影響については、まだ分かっていない。