講の意味 登山用語

講(こう)

講とは、本来は仏典の講義や、法会などを行う団体のことであったが、宗教上、経済上、その他の目的で集まった人々の集団を指すようになった。基本的に講集団は「宗教」「経済」「社会」の三種類に大別されるが、それぞれの要素を併せもった講集団が多く、はっきりと区切れるものではない。

「宗教」講には、山の神講・水神講など自然信仰・精霊信仰系、共同体鎮守や氏神をまつる氏神講・鎮守講、信仰団体としての教派神道である出雲大社講・御嶽講などや、仏教諸宗派の観音講、日蓮宗の身延講などがある。「社会」講には、地域社会での共同体における相互扶助としての、ゆいやもやいなどがある。「経済」講としては頼母子、無尽など、米や馬など品目に応じた講があった。

これらの数ある講のうち、講中登山のもととなったものは、山岳信仰であり、開山祖や修験者によって導かれて登山した。出羽三山講(出羽三山)・浅間講(富士山)・熊野三山講(熊野古道)など北から南まで、山岳地域では講による信仰登山が行われていた。