高山植物の意味 登山用語

高山植物

高山植物とは、一般的には森林限界より標高が上の高山帯に植生している植物のことをいう。高山植物が植生している環境は、絶えず強風に晒されており、土壌は栄養分が少なく、日中と夜間の温度差が大きく、空に近いので直射日光が強くて紫外線が多い、などど苛酷な環境である。

日本で見られる高山植物は北海道以北に近縁種があり、太古の氷河期に日本列島も氷河に覆われていた時代があることから、氷河期に植生していた植物の生き残りだと言われている。この植物を「氷河遺存種」という。氷河期には標高が低い所でも見られたかもしれないが、やがて氷河が後退し気温が上がるにつれて、氷河期の環境に近い山の上へと移動していったと考えられている。高山植物が植生している場所では、成長できる期間が春〜夏と短いので、地下に生えている根や地下茎は発達しているが、地上に伸びる茎の背丈は短くて葉は小さいが、花が大きいのが特徴である。

またもっと厳しい環境にある植物は自らの体を寒さや直射日光から保護するための毛におおわれているものがある。同じ時期に一斉に咲くのでお花畑として楽しむことができるが、貴重種なので、むやみに触らず立ち入らないことである。