高山帯の意味 登山用語

高山帯

高山帯とは、山地における植生の垂直分布のなかで、森林限界より上・雪線より下の地帯のことを表わす。この高山帯は、低温・低圧(空気が薄い)、強風、紫外線が強いなどといった苛酷な環境である。

この高山帯に生息している動植物は、繁殖可能な期間は非常に短く、植物は苛酷な環境に耐えられる、小型の多年生草本(高山植物)や小低木(ハイマツ)などが生育している。また、これらを食糧にして生息している動物もいる。植物が地表に出ている期間は雪がない間であるが、動物は1年を通じて行動している。高山帯の定義は国あるいは研究者によって異なるが、森林限界より上の標高を高山帯とするのは、世界共通である。

なお、高山植物は雪田と風衝地では生息状況が異なり、その年の気候が高山植物の生息に関係し、それを食糧としている動物たちにも影響があるという。たとえば、ライチョウは、寒さが厳しい年は個体数が減少し、逆に暖冬だと個体数が増加する傾向が見られるという。また、高山植物の種子は動物の糞によって拡散し、新しい場所で芽を出すとされている。