高層湿原の意味 登山用語

高層湿原

高層湿原とは、湿原は低温・過湿の土壌に発達した草原のことで、低温・過湿のために枯死したミズゴケが分解されず泥炭となり、水を含んで過湿となった場所のことである。

湿原は「低層湿原」「中間湿原」「高層湿原」の三種類に区分され、湿原のサイクルは、何らかの原因により湿原の元になるものが形成され、やがて、低層湿原→中間湿原→高層湿原→乾燥化→森林化、というプロセスをたどるとされている。湿原は氷河、火山活動、地滑り、断層作用などさまざまな理由で湿原が形成されるが、寒冷地に多い。高山における湿原は中部地方〜北海道に多数分布しており、火山がある地域に集中しており、多雪地帯でもある。

火山活動によって湿原が形成され、降雪による豊富な融雪水が、湿原の形成に重要である。なお、現在見られる湿原は、最終氷河期が終わった後の完新世に形成されたもので、1万年前〜8000年前から湿原が成長し、現在の形になったとされている。低層湿原では、地下水から水の供給を受けるため、水質はアルカリ性で栄養分もあるので、ヨシやスゲ類が発育する。一方、高層湿原では土壌は酸性になっており、貧栄養状態になる。こういった悪環境に耐えられるミズゴケが生育するのである。高層湿原として知られているのは尾瀬ヶ原である。