高層天気図の意味 登山用語

高層天気図

高層天気図とは、上空の気象状態(風向、風速、気圧、気温など)をもとに作成した天気図のこと。高層天気図には、「850hPa天気図(上空約1500m)」「700hPa天気図(上空約3000m)」「500hPa天気図(上空5500m)」「300hPa天気図(上空9000m)」と4種類あり、登山においては、登山する山の標高に近い高層天気図を利用する。

「850hPa天気図」では、上空から約1500mの高さで、地表面の摩擦や熱などの影響がなくなる標高地点であり、この高さの湿度と気温を組み合わせて、大雨になるかどうかの判断ができる。700hPa天気図は、上空約3000mの高さであり、気圧の谷などの動きや、それに関連した寒気や暖気のようすが分かる。500hPa天気図は、上空5500mの高さであり、対流圏のほぼ平均的な空気の流れを見ることができ、台風の動きはこの高さの空気の流れによる。300hPa天気図は、上空9000mの高さであり、ジェット気流がどこにあるかを判断するもので、国際線のジェット機はこれよりも高いところを飛ぶが、強いジェット気流を利用したり避けたりして飛ぶので、航空機の運行にも欠かせない天気図である。