御来光の意味 登山用語

御来光(ごらいこう)

御来光とは、簡単に言えば「山で見る日の出」のことである。平地であろうと山の頂上であろうと、標高が異なるだけで、太陽が地平線から顔を出すのは「日の出」なのである。御来光という言葉は山岳信仰から来ており、日本古来から神道では、山や森、水などのあらゆる森羅万象に神様がいると考えられてきた。

山は御神体とも言われ、人間が住む場所を下界とし、山は下界とは異なるもの、と見なされてきた。そして、神道の大元は天照大御神(あまてらすおおみかみ)であり、すべての神々を統括する神様として、太陽神として祀られてきた。神話では、天照大御神がスサノオの行動に怒り、岩戸に隠れてしまい、世界が闇になり、さまざまな禍が発生し、困り果てた神々がどうにか天照大御神に岩戸の外に出てくるようにし、再び世が明るくなった、と言われている。

江戸時代に一般的になった信仰登山も山岳信仰の一種であり、山頂で見る日の出は、登山の苦労を乗り越えて見られるものであり、神々しく見えることから、御来光と言われるようになったと考えられている。