垢離場の意味 登山用語

垢離場(こりば)

垢離場とは、水垢離の行(ぎょう)をする場所のこと。水垢離(みずごり)とは、神仏へ祈願するときやお祭りなどの時に、海水や冷水を浴び身を清めること。この行事は現在では「禊(みそぎ)」として続いている地域もある。

新年になると海側の地域でお神輿をかついだ人たちがはちまきにさらし姿で海中に入っているのを見るが、それも水垢離の流れといえる。垢離場は修験道など山岳で修行する時に、山中の滝壺の中にはいり、滝に打たれて修行した場所である。現在でも滝行として残っている。

なお、この垢離場は山中に限らず、川や海がある場所なら平地でも行われていたという。江戸時代に庶民が信仰登山(富士詣り、大山参りなど)に出かけるとき、初登山の者は、出発の1週間は、水垢離とし、体を清めてから出発することになっていた。この垢離場は、両国橋の東側にあり、岸に階段がついていて川に降りられるようになっており、川底には石が敷いてあり、ここで体を清めていたのである。