三段染めの意味 登山用語

三段染め(さんだんぞめ)

三段染めとは、秋の山の美しい様子を言い表わしたもの。秋の紅葉の時期に雪が降ると、山頂付近は雪による白色、山腹は紅葉による赤色や黄色、山麓は針葉樹による緑色、と三色のグラデーションが見られ、その様子がきれいなことから三段染めと言われている。

さらに空が晴れて青く澄みわたっていれば、四色のコントラストが見られる。三段染めはある程度の標高がある山であれば見ることができるが、中でも有名なのは北アルプスの涸沢で見られる紅葉が有名である。

涸沢以外の山地でも、ある程度の標高がある山であれば三段染めは見ることができ、紅葉盛りの時期で山肌が赤色と黄色に染まった様子を錦秋と言い表わす。この錦秋に雪が加わると最高の景色が見られる。

紅葉には「当たり年」というものがあり、紅葉の発色は気象条件に左右されるので、毎年同じ紅葉・景色が見ることはできない。紅葉が鮮やかな発色を見せる条件は、日中と朝晩の温度差が大きいこと、台風による塩害を受けていないこと、などである。

その年の気象状況により、夏に台風が襲来すると、台風は塩分を含んだ水蒸気を巻きあげてくるため、上陸して雨を降らせた時に、植物が塩枯れして赤くなってしまう。夏に限らず、秋に台風の上陸数が多くても同じである。また秋になってもなかなか気温が下がらないと、紅葉はボヤけた色になると言われているからである。