山地帯の意味 登山用語

山地帯

山地帯とは、低山帯と亜高山帯の間に位置する、植生を表わす地帯である。山においてはある地点になると植生が変化し、標高の低いほうから、「亜熱帯(亜熱帯)」「低山帯(暖温帯)」「山地帯(冷温帯)」「亜高山帯(亜寒帯)」「高山帯(寒帯)」と段階に分けて分類されている。

「亜熱帯」は常緑広葉樹林で、マングローブ、ガジュマル、ソテツ、シダなどのがみられる。「低山帯」は常緑広葉樹林で、シイ類、カシ類、タブ、クスノキ、ツバキなど。「山地帯」は落葉広葉樹林で、ブナ、ミズナラ、トチノキ、カツラ、カエデ類など。「亜高山帯」は常緑針葉樹林で、北海道ではトドマツやエゾマツ、本州ではシラビソ、トウヒ、コメツガなど。「高山帯」は低木林で、ハイマツや高山植物など。亜熱帯は沖縄で見られるもので、本州にはない。本州中部以北では、山地帯は標高約700m〜1200m、亜高山帯は標高約1200m〜2500m、それより上は高山帯である。山地帯に植生するブナ林は、成長は非常にゆっくりであるが、保水力が高いことや、ブナの回りには豊かな植生が形成されることから、野生動物や鳥類の生息地でもある。

戦後、薪などの需要で大量に伐採されたことが原因でブナ林は減少し、保全運動の結果、白神山地は保護され、天然のブナ林が残っている。