桟道の意味 登山用語

桟道(さんどう)

桟道とは、岩壁や崖などの切り立っている沿って木材や鉄板などを使用して足場を組んだ棚のような道のことをいう。高度のある場所に設置されていることもあり、かなりの高度感がある。

日本で桟道といえば、黒部渓谷の桟道が有名である。黒部ダムから仙人谷ダムの間には下ノ廊下と呼ばれる登山道があり、この登山道は黒部ダム建設の際に、黒部渓谷の奥地にある下ノ廊下と呼ばれる渓流沿いの壁を削ったものである。削るのが難しい場合には、桟道と呼ばれる、丸太で作った道が設けられている。この下ノ廊下は、雪解け後の9月中旬から雪が降り始める11月上旬までとかなり通行時間が限られているため、ちょうど秋の紅葉シーズンと重なり登山客が通行する。

黒部ダム〜日電歩道(下ノ廊下)〜仙人谷ダム〜阿曽原温泉小屋〜水平歩道〜欅平というルートであり、下ノ廊下だけでも18kmあり、黒部ダムから欅平まで全長30kmという、最初から最後まで崖道や桟道を歩く、気が抜けない、健脚向きのルートである。宿泊場所が1ヶ所しかないので、すべての登山客は必ず阿曽原温泉小屋で1泊することになる。この立山連峰と後立山連峰の間に黒部渓谷があり、年間200日は雨か雪という地形のため、浸食が激しく、崖が切り立っているのである。

年によっては雪崩によってルートが破壊されている場合もあり、通行できない年もある。なお、崖には鎖が固定されているので、それを掴みながら歩行する。