自然落石の意味 登山用語

自然落石

自然落石とは、山の斜面や崖などから石が落ちてくることをいう。落石が発生する条件は、表層堆積物、火山噴出物、砂礫層の中にある岩や礫などが表面に出たもの、岩石にある亀裂などが風雨にされされているうちに拡大して割れたもの、人為的に岩に亀裂を入れたもの、など、さまざまな理由により落石は発生する。

また、集中豪雨や大雨などが連続的に降ると土壌が緩み、土壌が流出しやすくなるとともに、その上に堆積している岩も一緒に流れおちることが多い。土砂崩れの前兆のひとつで、石がパラパラと落ちてきたら土砂崩れが来ると思ってよい、とよく言われるが、まさにその通りである。

土より石のほうが転がりやすく、先に落下するからである。石といっても数cm〜数十cmの小さいものから、1mを超える大岩までさまざまである。小さい石は浮きやすいので強風などで簡単に動かされるが、大岩などは噴火や地震などの大きい力が加わらないと滅多に動かない。

これらの石や岩はいったん落下し始めると、どこかで止まるまでは動き続き、加速度も増し、約10cm前後の石であっても、人に直撃すると深刻な怪我を引き起こし、打ちどころが悪いと死亡することもある。数十cmを超える石になると、たとえ車のなかでも、車のボディーを通過するほどの破壊力をもたらすのだから、1mを超える岩が降ってきた場合に助かったら奇跡である。落下を予測するのは難しく、そういう場所にいる場合は常に前や上を見ていなくてはならない。