弱層の意味 登山用語

弱層

弱層とは、積雪内部にある不安定な層のことである。弱層が積雪底部にあると全層雪崩、積雪上部にあると表層雪崩、を発生させる。弱層を形成するものは、「表面霜」「霜ざらめ雪」「あられ」「六花降雪結晶」「濡れざらめ雪」などが挙げられる。

「表面霜」は、表面(雪面)が霜のようになっており、キラキラ輝いて見える雪である。良く晴れた日の夜に放射冷却が起こると、空気中の水蒸気が積雪表面に付着して凝結してできる。「霜ざらめ雪」は、積雪底部または積雪上部にある雪の層が、温度勾配により蒸発・凝結を繰り返し、霜を形成したもの。結合が弱い。「あられ」は、温暖前線→寒冷前線が通過後に降る場合が多い。雪に水分が付着しているため結合が弱い。「六花降雪結晶」は、もっともよく知られている雪の結晶の形である。温暖前線通過後、舞うような感じで降る雪は、結晶表面が滑らかなため、積雪しても結合力が弱い。「濡れざらめ雪」は、積雪層の表面が日中の日差しで融け、大量の水分を含んだ状態になったもの。凍結する前に雪が降ると弱層になる。雪山登山をする上では、弱層テストを行いながらルート選択して登山することが推奨されている。