シュタイクアイゼンの意味 登山用語

シュタイクアイゼン

シュタイクアイゼン(ドイツ語:Steigeizen)とは、アイゼンの正式名称であり、日本では略してアイゼンと呼んでいる。Steigは険しい道、Eizenは鉄、という意味である。

1900年代初めにアイゼンは考案され、「エッケンシュタイン型」「ホレショフスキー型」の二種類があった。「エッケンシュタイン型」は、イギリス人登山家で技術者であったオスカー・エッケンシュタイン(Oskar Eckenstein)が図面を描き、スイスの鍛冶屋フプアウフ(A.Hupfauf)、イタリアのグリベル(Grivel)、オーストリアのスチュバイ社(Stubai)に作らせたものである。「ホレショフスキー型」は、オーストリア人登山家アルフレット・ホレショフスキー(Alfred Horeshovski)が考案したアイゼンのことである。

ホレショフスキーはこれよりも1923年にマッターホルン北壁下部の登攀に成功した登山家でもあった。かつてのアイゼンは鉄で作られていたので、ピッケルと同様に、鍛冶屋で生産するものだったのである。

アイゼンの製造方法は、「鋳造型」「切り抜き型」「プレス型」と三通りあり、現在ではすべてのメーカーがプレス型を採用している。鋼板をプレスしたもので、軽量で自由なデザインに加工できるのである。素材はかつては鋼鉄が使われていたが低温化に弱い特性があり、現在ではニッケル合金やチタン合金などが使われている。

アイゼンはバンドで固定するタイプと、スキーのようにワンタッチで固定できるタイプがある。現在は氷壁用と登山用にアイゼンが開発されているが、形状や爪の本数が異なるので、用途に応じて使い分ける。