スーパー林道の意味 登山用語

スーパー林道

スーパー林道とは、正式名称を「特定森林地域開発林道」といい、1965年に森林開発公団が林業振興を目的として、未開発の森林地帯に建設を開始し、1990年に奥鬼怒スーパー林道が完成するまで、合計23路線、総距離1791kmが建設された。

植林や伐採などの林業振興のための整備を目的としていたが、観光や地域振興などの期待も込めて建設された。その一方で、国立公園や脊梁山脈を開削するルートも多く、ダイナマイトなどで岩盤を破壊して作るものであったため、自然破壊だとしてしばしば反対運動を引き起こした。

林道の完成後は、管轄は所在する都道府県へ委譲され、市町村道・県道・国道になっている。有料道路になったものや、廃道になったものもある。スーパー林道が建設された目的は、当時、戦後復興と朝鮮戦争の勃発により大量の木材が必要になり、木材を調達するための道路を建設することであった。そのため天然林がどんどん伐採され、成長が早い杉やカラマツなどの人工林に置き換わっていったきっかけでもある。

しかし、国産材が高くなり外国産材が輸入されるようになると、林業は頭打ちになり、林道も廃道同然で管理されていないところもある。なお、森林開発公団は現在は森林農地整備センターと名称を変更しており、農林水産省の独立行政法人森林総合研究所の一部局である。名称を変えても無用の林道を建設し続けている。