制動確保の意味 登山用語

制動確保

制動確保とは、クライミングにおいてクライマーが墜落した場合、クライマーの体に結んである安全確保のロープを保持しているビレイヤーは、衝撃を和らげるために、ある程度ロープを繰り出しながら少しずつ制動をかけてロープを止める技術のことである。

墜落時、墜落エネルギーは体重に比例し、重いほど墜落スピードが速く衝撃が大きくなる。この時に一気に止めてしまうと、確保支点に相当な力がかかり、確保支点も抜けてしまうことがある。体重が80kgで、墜落距離が4mとすると、確保支点にかかる力は1,150kgにもなる。ここで少しロープを流してから止めると、かかる力は半分以下になる。30p流してから止めた場合は340kg、50cm流してから止めた場合は240kg、と確保支点にかかる力がかなり減少することが分かる。

このことから制動確保によるビレイ方法が主流である。ビレイヤーはロープの摩擦で手のひらを火傷してしまうので、必ず革製の手袋をしてからロープを確保することである。なお、ビレイヤーはATCやグリグリなどの制動器を自分のハーネスにセットして、クライマーのロープを器具に通し、ロープを必ず保持して制動確保を行っている。