雪食の意味 登山用語

雪食(せっしょく)

雪食とは、積雪した雪が滑り落ちる際に山の斜面を削る浸食作用のことであり雪食作用ともいう。またそれによって形成された地形を雪食地形という。積雪と斜面がある場所で発生する。

雪食作用にはクリープ・スライドと全層雪崩の2種類がある。クリープ・スライドとは雪圧で少しずつ下に流れ(落ち)ていき、そこの場所に生育している植物は雪の重みで根元が曲がっていく。更に雪の圧力が強い場合は、地表も削りながらゆっくりと流れていくので、岩盤などが露出した状態になる。全層雪崩は、雪がそっくりそのまま崩壊し、地表の土俵もえぐりながら落下していくので、硬い岩盤が露出した状態になる。全層雪崩が発生する場所は、地形的にも発生しやすい場所であるので、繰り返し発生している。全層雪崩によって形成された地形はアバランチ・シュートともいう。

福島県の奥只見の地域では、日本のなかで、雪食地形が集中している場所でもある。標高が低い森林帯で発生しており、世界でも珍しい地域であると注目を浴びている。