雪線の意味 登山用語

雪線(せっせん)

雪線とは、山岳氷河における涵養域と消耗域の境界を均衡線というが、この均衡線は年によって大きく変動するので、平均的な位置を「雪線」という。

雪線の高度は赤道直下では4500m前後になり、南北の両極に向かうにつれて雪線の高度は低くなる傾向にある。ただ、降雪・気温などの気候的要因と、斜面などの地形的要因に左右される。日本では現在は氷河は存在していないが、日本アルプスには氷河が存在していた形跡があることから、氷河期時代の雪線として使われることもある。

氷河期が終わり、地球が温暖化すると、この雪線は山岳の山頂高度より上まで上がっていき、やがて氷河は消滅した。したがって氷河という意味での雪線は、日本では中部地方で4000mのエリアといわれている。このように山岳氷河における雪線が本来の意味であるが、日本では、一年中雪があるところを指すとして言われることが多い。山岳氷河の雪線と区別するために、積雪期における積雪域と無積雪域の境界を「季節的雪線」、越年雪(万年雪)のように初雪が降るまで積雪域が残っている場合は「その年の雪線」という言い方をするのが本来である。