雪田植物の意味 登山用語

雪田植物

雪田植物とは、雪田は積雪量が多いため融雪期でも雪が融けて消えるまで時間がかかり、そこでは、7月〜9月という短期間で成長・結実できる高山植物のことを指す。

雪田は積雪期に雪によって土壌が守られているため、一般的に土壌の養分が豊かであるが、無積雪期は乾燥する場所だったり、水分が多い湿潤性の場所だったり、泥炭だったりとさまざまであり、それぞれに適した高山植物が植生する。乾燥しやすい場所(岩礫地など)はチングルマなど矮性低木の群生、水分が多い湿潤性の場所では、ミヤマキンバイ、ミヤマリンドウなどの群生、泥炭質の場所ではイワイチョウなどの群生が見られる。

雪田の中でも一番雪融けが遅い場所では、ごくわずかな植物しか植生できないか、礫が広がっている場合もある。生育期間が短くなるような場所に咲く高山植物は、雪解け後10日後には花を咲かせるという、成長が早いものもある。なお、風衝地では、雪が積もらない分、生育期間は5月〜9月と長くなる。こういった場所では乾燥や強風に耐えられる高山植物が植生し、コマクサなどが代表的である。コマクサは他の植物が植生できないような環境で植生することから高山植物の女王と称されている。