雪洞の意味 登山用語

雪洞(せつどう)

雪洞とは、冬山において野営せざるを得ない時、風に当たらないように、横穴式または竪穴式の穴を斜面に掘って、一時的な居住空間を設営したものである。

竪穴式は地面に縦に穴を掘っていく緊急時に用いられる方法である。上部をツェルトで覆うが、寒さ対策は十分ではない。緊急時以外は横穴式で設営される。雪洞を設営する場所として、雪質(新雪と弱層は避ける)が良い事、積雪が2m以上あること、風の通り道になっていないか、など作業、野営に安全な場所を確保する。

雪洞の作り方は、まず入口を決めたら、あとはスコップあるいはスノーソーという道具を使って、最初は奥まで垂直に掘り、次に横に穴を広げていく。この時に入口には風が入らないよう、掘りだした雪を積み上げて風よけの壁を作る。雪洞がある程度完成したら、内部の天井をきれいにならしていく。このようにして雪洞の完成である。

完成後は、外側から天井を踏み抜かれたりしないよう、雪洞の天井の外側などに分かりやすいように、目印等をつけておくとよい。雪洞があるからといって100%安全ということはなく、風によって雪洞が崩壊したり、雪庇雪崩などによって崩壊することもあるので、手元にスコップやナイフなどいつでも脱出できるようにしてから就寝する。