雪庇の意味 登山用語

雪庇(せっぴ)

雪庇とは、雪山において、稜線上や支尾根に積雪した雪が、風によって風下側に流され、押し出されるようにして(せり出すようにして)積雪したもの。積雪時に家屋の屋根のひさしに雪がせり出している状態と同じような感じである。

この雪庇は気象条件によっては10m以上の大きさになることもあり、豪雪地帯の山岳では稜線上の方側だけではなく、両側に雪庇ができることもある。屋根のひさしから雪が落下するのと同じように、山岳における雪庇も、風によって大量の雪がに更に積雪した時などに、雪庇が自体が重さに耐えられなくなり、自然崩落が起こる。この時、崩落した先の積雪層に弱層やディープスラブなどがあると、この崩落の衝撃でこの積雪層が崩壊され大小の雪崩を引き起こす誘因にもなる。

雪庇はただ単なる雪の塊であって氷のように硬くなったものではないので、簡単に崩壊しやすいのである。登山者が稜線上を歩いている時、この雪庇に気付かずに踏み抜いてしまうと雪庇が崩落し、滑落・遭難につながりやすい。したがって雪庇だと思われそうな場所では風の方向を読みながら慎重に歩くことが求められる。