セラックの意味 登山用語

セラック

セラック(フランス語:Serac)とは、「氷の塔(または氷塔)」を意味する。氷河の屈曲点になど氷河の圧力がさまざまな角度から加わり、下部が削られたり、倒れたりして、氷の塔が形成される。

氷河中流域のアイスフォール(氷壁)や、懸垂氷河の下部、氷河の急流部など、複雑な応力場にて、縦横のクレバスが発達するときに、氷塔群が形成される。セラックは気温などの気候条件に左右されず、いつでも崩壊する可能性がある。なぜなら応力場で形成されたもので、複数方向から力が加えられ続けているからである。氷塔とはいっても、尖っている形もあれば、そのまま氷河がせり出したようなブロックの形もあり、さまざまな形のセラックがある。登山者にとっては危険な場所でもある。

なお、ヨーロッパアルプスでは氷河があちこちに見られるが、氷塔群の近くを通過して山スキーできるツアーが、プロの山岳ガイドのもとで開催されている。「屈曲点」とは折れ曲がっている部分のこと、「応力」は2つの物体がお互いに力を及ぼしていることをいう。